為替変動と私たちの生活環境について

世界には多様な通貨が流通しています。

日本の通貨は円ですが、世界最大の経済大国である米国はドルが通貨です。

またヨーロッパ連合ではユーロを使用しています。

現代社会は、世界と密接につながり貿易が活発に行われています。

日本は多くの製品を世界に輸出する共に、多くの資源や食料を輸入して経済を順調に成り立たせています。

輸出入の際に決済で使用されるのは原則としてドルであり、最近ではユーロも使用されつつあります。

このため私たちは常に1ドルや1ユーロが円に換算するといくらになるのか常に注意を払う必要性があります。

今回は、世界の貿易で決済に主に使用されるドルと円との関係の触れながら円高や円安の経済に及ぼす影響を中心に話をして行こうと思います。

為替の変動が私たちに及ぼす影響などを書いていきます。

為替レートの予想は難しい

そもそも為替の行方は経済の専門家でも難しいです。

一つの有力な考え方ですが、米国で1ドルで販売されている商品が、日本で120円で販売されていれば1ドル=120円が本来の為替レートではないかと考える説もありますが、文化や経済システムの異なる国で、同じ原材料で同じ仕様の製品をすべての財貨やサービスにおいて見つけるのは難しいため必ずしもこの考えが為替レートを説明しているとはいえそうにないといわれています。

予想が難しい為替レートについて私たちに必要な事は為替の予想より円高と円安の意味とその影響を正確に理解する事だと考えます。

円高の影響

円高とは、そもそも円の外貨に対する価値が強まった事を意味します。

例えば1ドルが100円から為替レートが変化して1ドルが80円になったとします。

1ドル100円の時は1ドルの商品を買うのに100円必要です。

しかし1ドル80円になると1ドルの商品を買うのに80円が必要です。

ドルベースでは同じ1ドルでも私たちにとり1ドルが80円になればそれだけ少ない円で1ドルの商品が買える状況になります。

即ちドルに対して1ドル100円の場合よりも1ドル80円の方が円は有利になっているので円はドルに対して価値が高くなったと解釈して円高といいます。

円高になると私たちは原材料など輸入品は安く購入できるため、食料品はじめ電気料金やガス料金など公共料金が割安で利用できる一方で、円での受け取り金額が減少する輸出産業や輸出産業の下請け企業などの収益を低下させてしまう側面があります。

円安の影響

円安は円高の反対の状況と考えて下さい。

1ドル100円から1ドル120円に変化したとします。

1ドルの商品を100円出せば買えた商品が1ドル120円に変化したために120円出さないと1ドルの商品が買えません。

即ち、ドルに対して円の価値が低下したため、20円余分に私たちはお金を支払う事になります。

円安になると、円での受け取りが増える輸出産業の業績は好転しますが、食料や資源など輸入する商品の円ベースでの支払いが増えてしまいます。

このため次第に円安による輸入品への価格転嫁も出てきて、輸入品を原料とする麺類やパンなど食料品やガソリンの価格などに上昇傾向がみられるようになり、家計を苦しくさせてしまう可能性がでてきます。

まとめ

私たちの生活が外国との貿易を通じて成り立っている以上、為替変動により多少の影響は受けてしまいます。

為替の動きの予想は困難ですが、少なくとも生活者の視点に立てば円安は輸入品を中心とした物価の高騰を伴うため、注意する必要性がありますが、支払いをポイントがたまるカード決済で行い、電力料金自由化を利用して安い電気料金を設定する会社に切り替える事を検討するなど対応方法はあります。

今では電気だけではなくガス料金も安く提供する会社が出てきました。

活用次第では、急激な為替変動でも自分なりに対応する事ができる部分もあります。

大事な事は為替の変動に対処するための積極的な情報収集と迅速な行動です。

私たちが生きているグローバル化した社会では常に身近な問題として為替の変化を意識しながら自ら考えて賢く生きていく事が求められると考えます。