大阪で出会った産後ケアのやさしさ

最近、近所のカフェでコーヒーを飲んでいたら、隣の席から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。ふと見れば、若いお母さんと助産師さんらしき女性が向かい合って座り、笑いながら話しています。どうやら授乳や育児の相談をしていたようで、その柔らかい空気感に、なんだかこちらまで肩の力が抜けました。大阪の街では、こういう産後ケアの風景が少しずつ当たり前になってきている気がします。商店街のベンチでも、おばあちゃんが赤ちゃんをあやしながら若いお母さんに声をかける姿をよく見かけます。

大阪らしい産後ケアのかたち

大阪市では、宿泊型から通所型、訪問型までさまざまな産後ケアが整っています。宿泊型なら1泊2日でお母さんも赤ちゃんもゆっくり休め、通所型なら日中だけでも助産師さんや看護師さんのサポートが受けられます。そして訪問型は、家まで来てくれるから、外出が大変な時期には本当にありがたい存在。料金も比較的抑えられていて、非課税世帯は無料になる制度もあります。

心も身体もほぐれる時間

私の知り合いのママ友は、出産後しばらく「外の世界から切り離されたようで不安だった」と言っていました。でも訪問型の産後ケアを利用したことで、授乳の姿勢や抱っこのコツを教わり、ついでにおしゃべりもできて、心が少し軽くなったそうです。「あの日、笑ったのは何日ぶりやったかな」と言う彼女の顔が印象的でした。

産後ケアは贅沢じゃない

大阪では、行政の支援も民間のサービスも充実していますが、まだ「そんなの利用していいのかな」と遠慮する声も聞きます。でも、産後ケアは贅沢ではなく必要な休息と支えです。お母さんが元気でいることは、赤ちゃんにとっても家族にとっても一番大事なこと。忙しい大阪の街中でも、ふと立ち止まって深呼吸できる時間を、もっと多くの人が持てたらいいなと思います。